不規則なカレンダーを機械式腕時計の機構においてプログラミングするというのは、精密時計でも屈指の困難な技術的課題であり続けています。現在、多くの地域と文化圏で使用されているグレゴリオ暦は、1年を28日、30日、 31日の12の月に分けます。4で割り切れる年は閏年となり、2月末に29日が 挿入されます。しかし、実 際の太 陽年にカレンダーを同期させたままにするには、さらなる補正が必要で、1世紀に1回の末尾00の年は、400で割り切れる年だけを閏年とし、その他の年は通常の年とする必要が あ るのです。つまり、2000年や2400年は閏年ですが、 2100年、2200年、2300年 は 普 通 の 年となります。しかし、従来の永久カレンダーは、4年サイクルでプログラミングされており、3年通常の年が続いたら、必ず閏年が挟まるようになっています。設計上、2100年も閏年となるので、修正が必要となります。同じことが2200年と2300年にも起こります。その結果、永久カレンダーとはいっても、400年に3回 の 修 正 が必 要となります。それに対して、このポルトギーゼ・エターナル・カレンダー(Ref. IW505701)のような世紀永久カレンダーは、こうした複雑な例外も織り込んで機械的にプログラミングされています。こうして、少なくとも西暦3999年までは、正確に閏年が計算されます。西暦4000年を閏年にするかどうかは、まだ正式には決定されていないからです。